ポーカーで稼いだ勝利金は課税対象であり、必ず税金を納めなければいけません。収入源に関係なく、日本では所得に対しては納税の義務があります。
ではポーカーの税金はいくらかかるのでしょうか?またもし納税しなかった場合はどうなるのか?ここでは、ポーカーの勝利金に対する税金の計算方法や、確定申告のやり方、納税しないとバレるのか?そして税金対策方法などについて詳しく解説します。
ポーカーの勝利金やトーナメントの賞金には税金を納める義務がある!
ポーカーの勝利金やトーナメントの賞金はれっきとした収入となるため、期限までに確定申告し、必ず納税しなければいけません。納税は国民の義務であり、たとえ収入源がポーカーであっても課税対象になります。
ラスベガスやマカオなどのランドカジノはもちろん、オンラインポーカーも海外拠点の運営会社がサービスを提供しています。「海外拠点のポーカーなのに、なぜ日本に税金を納めないといけないのか?」と不満に感じるかもしれません。
その答えは日本が採用する「全世界所得課税主義」にあります。この全世界所得課税主義とは、簡単に言ってしまえば「海外で稼いだ所得に対しても納税の義務がありますよ!」という意味です。
ランドカジノもオンラインポーカーも基本的には同じですが、納税方法にはちょっとした違いがあります。特にランドカジノのポーカーで稼いだ時の二重課税で損しないよう注意しましょう。
ポーカーの税金は一時所得!他のあらゆるギャンブルと扱いは同じ
ポーカーの税金は一時所得に分類され、日本で遊べる競馬や競艇、パチンコなどのギャンブルと扱いは全く同じです。
一時所得とは、会社からの給料や事業で稼いだ収益など、営利を目的とする継続的な行為から発生した所得以外の所得のことです。つまり労務や役務の対価として支払われるお金、資産の譲渡などによる対価としての性質を持たない一時的な所得です。
言うならば突発的に得た収益が一時所得に分類されます。ポーカーで稼いだ勝利金はまさしく突発的なもので、他のあらゆるギャンブルと同様です。
税法において一時的な所得に対しても納税の義務が課せられる以上、必ず期限までに納付しなければいけません。
海外ランドカジノのポーカーで稼いだ時も納税の義務は発生する
ラスベガスやマカオなど、海外ランドカジノのポーカーで稼いだ場合も納税の義務は発生しますが、国によっては施設内のキャッシャーにて納税額分を強制的に差し引かれます。
キャッシャーとは、ポーカーなどのカジノゲームで稼いだチップを現金に交換する窓口のことで、逆に現金でチップの購入も可能です。
もしキャッシャーで納税額分を差し引かれた場合、すでに現地で税金を納めているため、帰国後に日本での納税の義務はなくなります。これも全世界所得課税主義の1つであり、二重課税されることはありません。
ただしオンラインポーカーの場合は話が異なります。確かにオンラインポーカーは海外拠点の運営会社によってサービスを提供していますが、その拠点とする国へプレイヤーの勝利金に対する納税は行っていません。
つまり例外なくオンラインポーカーで稼いだ勝利金は、必ず日本で確定申告し、納税しなければいけません。
ポーカーの税金はいくらになる?特別控除を踏まえた計算方法
ポーカーで稼いだ勝利金や賞金に対し、どれだけの税金を納めなければいけないのかは、特別控除を踏まえた計算方法によって簡単に割り出せます。
税金の計算方法は、まず勝った時の金額から一時所得を割り出し、そこから特別控除を差し引いた金額が課税所得金額となります。さらに課税所得金額から控除額を引いた金額に対しての税率を掛けて算出します。
最終的に割り出した税金を確定申告の期限までに納税します。少々難しく感じるかもしれませんが、計算してみると意外と簡単です。
それではもう少し詳しくポーカーの税金はいくらになるのか?その計算方法について順を追って解説していきます。
「勝った時」の金額からまずは一時所得の割り出し
ポーカーの税金は1年を通じての収益に対して課税されるのではなく、「勝った時」の合算金額です。この一時所得を割り出すために、ポーカーの収支は常にメモしておきましょう。
例えば1年間に2,500,000円は払い戻され、ベット額(300,000円)を除く損失額が1,200,000円だったと仮定します。つまり実質的な収益は1,300,000円になりますが、ポーカーのような一時所得は勝った瞬間に税金が発生し、損失額分は差し引かれません。
少々理不尽に感じますが、払い戻しされた2,500,000円が一時所得となり、この金額に対して税金を納めなければいけません。
課税所得金額の計算方法は?最大500,000円の特別控除あり
ポーカーの一時所得を割り出せたら、次にベット額と最大500,000円の特別控除額を差し引き、課税所得金額を割り出します。
課税所得金額の計算方法は下記の通りです。
(1~12月の払い戻し合計金額)-(ベット額)-(特別控除額500,000円)÷ 2
前項の例で計算する場合、1~12月の払い戻し合計金額の2,500,000円からベット額300,000円を引くと2,200,000円で、そこから特別控除額500,000円を差し引きます。
最終的に算出された課税所得金額は1,700,000円となります。この金額の1/2、つまり850,000円に対して法律によって定められた税率を掛けて納税額が決まります。
【一時所得税率一覧】控除額と税率から最終的な所得納税額を算出
課税所得金額 | 控除額 | 税率 |
1,950,000円以下 | なし | 5% |
1,950,000円以上3,300,000円以下 | 97,500円 | 10% |
3,300,000円以上6,950,000円以下 | 427,500円 | 20% |
6,950,000円以上9,000,000円以下 | 636,000円 | 23% |
9,000,000円以上18,000,000円以下 | 1,536,000円 | 33% |
18,000,000円以上40,000,000円以下 | 2,796,000円 | 40% |
40,000,000円以上 | 4,796,000円 | 45% |
課税所得金額は850,000円なので控除額はなし、税率5%を掛けると最終的に割り出された納税額は42,500円となります。
例えば課税所得金額が7,000,000円だった場合、控除額636,000円を差し引き6,364,000円の23%となるため、1,463,720円が納税額です。
ポーカーで稼げば稼ぐほど控除額も最大4,796,000円と大きくなりますが、その分税率も45%と非常に高いです。もちろんポーカー以外に一時所得がある場合には、その全てを合算した金額に対して納税額が割り出されます。
ポーカーの税金は確定申告で納税!必要書類と納付期限は?
ポーカーの税金は、前年の所得納税額を翌年2~3月の確定申告期間内に申告し、期日までに納税します。確定申告のイメージとして「難しい」「面倒くさい」と考えている方もきっと多いかと思います。
しかし確定申告は決して難しくありません。最近ではインターネットを使っていつでもどこでも申告が可能になり、税務署や確定申告会場にまで足を運ぶ必要もなくなりました。
ここからは確定申告とは何なのか?確定申告に必要な書類、期間と納付期日などについて詳しく解説します。
そもそも確定申告とは?1年間の所得に対する税金を納めるための手続き
確定申告とは、1年間に稼いだ所得に対する税金を納めるための手続きのことです。収入源がポーカーであっても、稼ぎに対する税金を納めないのは脱税であり、違法行為です。
もし会社から給料をもらっている場合、経理担当者が年末調整という形で所得税を納めています。会社員が自ら給料の所得税を納める必要はありません。
しかし年末調整はあくまでも給料の所得税のみです。ポーカーの勝利金やトーナメントの賞金などの一時所得に関しては、たとえ会社員であっても自分自身で確定申告しなければいけません。
また確定申告には青色申告と白色申告の2種類があり、前者の青色申告なら大幅な節税に繋がります。ただし青色申告するためには事業届の提出が必要不可欠です。
確定申告の手続きや帳簿の付け方など面倒くさい部分はありますが、会社員でも青色申告は可能です。少しでも節税したい場合には青色申告で申請しましょう。
確定申告に必要な書類は?ポーカーの運営会社に支払調書を請求しよう
確定申告に必要な書類は「確定申告書」「支払調書」「領収書」「源泉徴収票(給与所得者のみ)」の4つです。スムーズに確定申告を完了させるためにも、忘れずに用意しておきましょう。
確定申告書は税務署、または国税庁のホームページよりダウンロードできます。そしてポーカーの税金で最も重要となる書類が支払調書と領収証です。
まず支払調書はポーカーの運営会社に請求します。日本語サポートへ確定申告に必要な支払調書が欲しい旨を伝えてください。マイページなどからダウンロード可能なオンラインポーカーもあります。
領収証、つまりベット額に関しては収支履歴の画面キャプチャでも認めてもらえる場合があります。最終的には税務署の判断となるため、一度確認してみてください。
確定申告の期間と納付期日は?一括納付できない時はどうする?
ポーカーの税金は、前年に稼いだ分を翌年の確定申告で納税します。例えば2023年1月1日~12月31日までの勝利金は、2024年の確定申告期間である2月16日~3月15日の間に申告します。
税金の納付期日も3月15日までですが、指定口座からの振替納税を利用する場合は4月末に引き落としされます。納付期日よりも1ヶ月以上遅れての納付ですが、もちろん延滞税や利息が加算されることはないのでご安心ください。
もしポーカーで稼ぎ過ぎて一括納付できない場合は、4月末と5月末の2回に分けて納税額の半分づつの納付も認められていますが、年0.9%の利子税が加算されます。
少しの負担も避けたい場合には、日頃から税金のことも考えてきちんと資金管理し、一括納付をおすすめします。
ポーカーの税金に関する注意点│脱税したらバレるの?ペナルティは?
リスクを背負ってポーカーで稼いだのに、勝利金の一部を国へ渡したくない!と、ポーカーの税金を納税しない方もいるようですが、それは非常に危険な行為です。
無申告で脱税したり、少しでも納税額を減らすために過少申告したい気持ちは痛いほどわかります。しかしこのような不法行為がバレると、非常に重いペナルティが科せられます。
変なたとえですが、税金は日本という国に住むための家賃と考えてください。意図的な家賃の滞納は許されず、最悪は追い出される(税金の場合は懲役刑)可能性もあります。
後になって後悔しないためにも、ポーカーで稼いだ勝利金はきちんと納税しましょう。それこそがポーカーの正しい遊び方です。
脱税や無申告・過少申告はバレる!税務署は甘くない
ポーカーの税金の脱税、無申告、過少申告などは、税務調査が行われると100%確実にバレます。近年の税務調査は100人に1人の割合で行われているため、今この瞬間にも税務署から電話がかかってくるかもしれません。
税務調査が行われれば保有する全ての金融機関の口座に調査が入ります。ポーカーの勝利金を現金化するためには、最終的に必ず金融機関の口座へ出金する必要があり、この時点で所得が判明します。
たとえecoPayzやiWalletなどのオンライン電子決済サービスを使っていたとしても、日本円への現金化には金融機関の口座が必要不可欠です。税務調査が入れば言い逃れはできなくなり、全てが明らかになります。
税務署は決して甘くありません。脱税や無申告・過少申告はバレる可能性大です。
最悪は実刑!?万が一不正がバレた時に科せられる重いペナルティ
万が一不正行為がバレた場合、非常に重いペナルティが科せられます。金銭的なペナルティとして加算税が課せられ、加算税率は最大で40%にもなります。
加算税 | 状況 | 加算税率 |
不納付加算税 | 期日までに納税しない | 10% |
過少申告加算税 | 正しい納税額よりも少なく申告 | 10~15% |
無申告加算税 | 確定申告をしない | 15~20% |
重加算税 | 意図的(悪質)な無申告・過少申告 | 35~40% |
これら加算税は、元々納付しなくても良い税金です。しかし不正行為に対しては上記の通り厳しい金銭的なペナルティが強制的に課せられます。
最も重いのが重加算税で、意図的な無申告や過少申告で最大40%の税率が加算されます。納税額が大きく、また悪質さが見られた場合には最悪脱税罪が適用され、「10年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金、または併科」の刑事事件にまで発展します。
懲役という最悪な結末を迎えてポーカーで遊べなくならないよう、きちんと確定申告を行い、期日までに納付を済ませましょう。
ポーカーの税金対策は?節税できる?少しでも収益を残す3つの方法
ポーカーの勝利金を少しでも手元に残すために、税金対策を考えましょう。合法的に行う税金対策による節税は決して違法行為ではありません。
「日本の財政難を解消するため、少しでも国に納めたい!」という愛国心の強い方であれば気にする必要はありませんが、ほとんどの方は高い税金に嫌気が差しているはずです。
では具体的にポーカーの税金対策はどうしたら良いのでしょうか?本当に節税できるのでしょうか?ここでは少しでもポーカーの収益を残す3つの方法をご紹介します。
最も最適な税金対策は500,000円以上勝たないこと
ポーカーの税金には特別控除が適用されるため、500,000円以上勝たなければ、文字通り税金0円となり、納税の義務がなくなります。
しかし勝利金の上限に縛られた状態でポーカーをしても、心から楽しむことができなくなります。ヒリヒリした思い切った勝負から降りたり、高額な賞金が用意されたトーナメントへの参加も見送らなければいけません。
確かに500,000円以上稼がないのは最も最適な税金対策ではありますが、その分ポーカーというギャンブルの楽しみ方が大きく激減します。
ポーカーに使用した機材やその他費用は積極的に経費として計上
ポーカーで使用した機材やその他費用の中には経費として計上可能なお金もあり、課税所得金額を下げることができます。
まずポーカーの経費としてベットしたお金が挙げられますが、経費として認められるのは勝った時のみのベットです。負けた時のベットは経費として認められません。
他にもポーカーで使用したパソコンやスマホ、タブレットなどの機材も経費になるかもしれません。しかし用途が別にある場合、税務署判断で経費にしてくれない場合もあります。
またポーカーで勝つために購入した情報商材や解析ツールなども経費として認めてくれる可能性があります。確定申告時にはダメ元で積極的に経費として計上し、最終的な判断は全て税務署に任せましょう。
アカウントから出金しなければ税金の対象にはならない
オンラインポーカーの場合、自身が保有するアカウントから出金申請をしなければ税務署も把握できないため、勝利金の税金を納める必要がなくなります。
オンラインポーカーの税金は金融機関に着金した時点で発生すると考えましょう。買い物や取引などに使用しなければ、オンライン電子決済サービスのアカウントに残しておいても大丈夫です。
ただし勝った時に課税されるのがポーカーなので、アカウントやオンライン電子決済サービスの残高も正確には課税対象です。
言い方は悪いですが、このような税金対策は税務署の調査範囲が及ばない、いわゆるスキを突いた方法とも言えます。
ポーカーの税金に関するよくある質問
最後にポーカーの税金に関するよくある質問と回答をまとめてみました。
- オンラインポーカーのボーナスは税金の対象ですか?
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オンラインポーカーでは初回入金ボーナスやトーナメント入賞ボーナスなど様々なボーナスがありますが、これらボーナス自体は課税対象ではありません。
しかしボーナスを使って稼いだ勝利金を出金した時点で一時所得が認められ、税金が発生しますので注意しましょう。
- アメリカのポーカーで稼いだ税金はどこで納税しますか?
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アメリカは州によって多少の違いはありますが、ギャンブルの稼ぎに対しては30%の税金を納めなければいけません。キャッシャーで自動的に納税されなかった場合、帰国後に日本で確定申告します。
キャッシャーで納税した場合には、後で日本の銀行口座へ入金して怪しまれないよう、アメリカでの納税証明を必ず受け取ってください。
- ベトナムのポーカーで税金は徴収されますか?
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ベトナムにある多くのランドカジノでは、ポーカーの勝利金全てを受け取れます。しかし海外で納税しなかった場合、日本での確定申告が必要です。
正直なところ、周囲に話をしなければバレる可能性は低いですが、ベトナムのポーカーで稼いだ勝利金は一時所得になります。隠し通さずに必ず納税しましょう。